B-STYLE

[身近なモノの取合せで暮らしを満喫する]  [時の経つのを楽しむ] [偶然を味方にする] それらをBスタイルと呼ぶことにしました。

2013/12/06

石敢當 札幌にあったわけ

以前、近所にある魔除けのお札(石敢當)を取り付けた家について書いたが、
沖縄の風習が、なぜ北海道の札幌にあるのか、不明のままだった。
本日の散歩帰り、たまたまその家の主が表にいたので聞いてみる。
私の説は、はずれだった。

■以前予想した私の説:
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1.お土産を買って設置した。
2.この家の主は沖縄出身者。
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■実際:
この家の方々は北海道人。沖縄が好きで何度も沖縄各地に観光に行っていたが、そこで石敢當の風習を知るようになる。
町を徘徊する魔物は、T字路があるとにぶつかって跳ね返り、向かいの角の家に入ってくる。しかし石敢當(下図:赤丸)を取り付けると、その効力でバラバラになって消滅してしまうので、T字路や三叉路の多い沖縄にはいたるところに石敢當がある。

この主は、T字路に面した自分の家にも石敢當が欲しくなり、十数年前、那覇で制作を依頼して塀に取り付けたのだった。こうして石敢當は北海道札幌にやってきた。
石敢當のせいか悪いことは起きていないとのこと。

しかし、道を挟んだ隣の家には石敢當はない。
片側にだけお守りをつけたら、魔物はついてない側に侵入してしまうのでは。

・・まあ風習は、本人が信じるかどうかによる。
魔物も信じてもらえなければ侵入のしようがないかもしれない。

中学生の頃読んだ本(ノンフィクション)に”カレロゼ夜間銃”というアフリカの魔法の武器がでてくる。恨みを持った相手を殺害するために魔法使いに作ってもらう銃だが、狙われている人間は、この銃が自分を殺すために製造されていると聞いただけで震え上がってしまう。銃や弾の材料から見ても、とても殺傷能力があるとは思えない”カレロゼ夜間銃”だが、この弾が当たると狙われた人間は恐怖が最高潮に達して死んでしまう。風習というのはそういった面もあると思っている。

私にとっては、このお札、何の事やらと思いつつ眺めてきたが、このT字路に魔物が現れる事を想像すると楽しい。ぜひ魔物さんにお目にかかりたい。今や車やストーカーの方がよっぽど恐ろしい世の中だ。

石敢當の家、よく見ると家の玄関には小さなシーサーまであった。
よっぽど沖縄好きの家のようだ。

*シーサー:沖縄の守り神、神社の狛犬のように対になったもの。小さなものは普通の家にもある。私の家でも土産を置いている。
*石敢當