この手の映画、たまに観るのも悪くない。
最近ツタヤであまりいいDVDが見当たらないので、それまで敬遠していたDVD5枚を借りてみた。そのうちの1つ。「ラバー」は、スピルバーグの「激突」のような作品かと思っていたが、まったく違っていた。映画を観ている自分を見る様な気分になる。映画って何? という気にもなる。
ストーリーには、たしかに人や生物を襲うタイヤが登場する。しかもこのタイヤをウォッチングする観客まで登場する。わずかだがタイヤは人と同じ様な性格も持っている。なぜかタイヤの武器は超能力的なものである。そして次々と人を襲ってゆくのだ。
作品全体が監督の自由な思いつきから出来ている様に感じた。だから物語を進める上での必然の様なものはあまり登場しない。ヒーローとモンスターの駆け引きやバトルの様なものも全くない。多分それがせっかちな観客をイライラさせるのだ。
「ラバー」は、よくあるB級ホラーを楽しむつもりで観ると失望する。世の中はこうで、映画はこうだ。だから○○点、みたいな一元的感覚だと楽しめない。人生は短い、余計な事に首を突っ込むのは時間の無駄だ、というアグレッシブな気持が治まったころ、ホワッと観るのがコツ。
最後に。
純朴な人間ほど未知なものを受け入れない。私の祖母はチョコレートは食べず、コーラも飲まなかった。いつも和菓子を買って来てくれた。でも私は純朴さよりも好奇心が勝ってしまい両方を口にして育ってしまった。今でも両方が好きだ。そんなわけでこの作品の先にあるものを味わってみたい気はある。急ぎはしないが。
★★★
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