この話、マンガ「頭文字D」(イニシャル・ディ)に興味のない方はとばして下さい。
初めて興味を持った方は「頭文字D しげの秀一」を参考にして下さい。
余談ですが、ツタヤで「頭文字D」のDVDを探してもらったら、ア行の棚にいき「頭文字D」(アタマモジ・ディ)はありません、という返事があったという逸話があるくらいのマンガです。
「頭文字D」が完結した。読んだのは単行本だけだが、札幌に来てからだから15年くらい読み続けた事になる。
当時、名前は忘れたが国道230号沿いにマンガ・インターネット喫茶というのがあった。(たしか料金は時間計算、飲み物は飲み放題だったと思う。)
子供を連れて行ってみたら、「バリバリ伝説(しげの秀一1980年代)」を見つけ、マンガの虫がうずいてしまった。そしてしげの秀一が執筆中だった「頭文字D」にハマってしまったのである。
そのうちあまり何度も読みにゆくので古本屋をまわって全巻を買い集めることに。
「頭文字D」は、しげの秀一のライフワークともいえる公道カーレースの青春マンガ。オヤジ話も出てくるので親しみがわいたのだと思う。
本屋で48巻を受け取り、「これで完結です。」と店員からいわれた時は気がつかなかったが、8年間もマンガが入荷した知らせをもらってきた。それも最後になる。もう少し感謝の気持ちを伝えられなかったのかと悔やんだ。その日はいろんな用事があって気持ちが散漫だったのだ。
「頭文字D」は、48巻で完結したが、連載誌ヤングマガジンではとっくに終わっていた。終わり方はネットでチラッとは知っていた。しかしマンガは読んでみるまで分からないものだ。単行本で読んでいると、話はこのところむずかしい方向に向かっているように感じられた。関わってきた走り屋達の人生感を整理するような・・。
最終レースでは何が起こるのか。時代遅れで非力といわれる車、ハチロク同士の対決。主人公と同じような天然系天才ドライバーとの戦い。しかもこの相手は主人公よりも若い。年上としか戦ってこなかった主人公、拓海のレース運びは? それらを、これまでの対戦相手達が見守る中で描きすすめなくてはならない。
これら3つの課題に対して、しげの秀一はどんなカタルシスを読者に用意しているのか。何度もレース展開を予測してみたが読めなかった。分かっていたのは主人公が勝利することである。
意外な勝ち方だった。結果だけを知りたい方は,不親切かもしれないが頭文字d 最終回を見て欲しい。
こんなことを言っても始まらないかもしれないが、最初は47巻と48巻(最終巻)を分けるべき箇所を間違えていると思った。最終巻は読み始めるとすぐに終わってしまうのだ。コース料理を頼んだのに、足りなくて追加注文をしたくなるような気分になった。そこでもう一度、前巻から読み返してみる。
レース展開や駆け引きについては納得できた。
しかしそれ以外の魅力がこぼれ落ちてしまったような気がした。特にキャラクターの魅力が・・。そのあたりが満腹感が得られなかった理由だと思う。
レース展開や駆け引きについては納得できた。
しかしそれ以外の魅力がこぼれ落ちてしまったような気がした。特にキャラクターの魅力が・・。そのあたりが満腹感が得られなかった理由だと思う。
期待しすぎてしまったのかもしれない。最終巻の出る前、実は「バリバリ伝説」の鈴鹿4時間耐久レースを読みかえしていた。欲張りかもしれないが、”勝利の瞬間”にはあれくらいの華やかさが欲しい。勝者、敗者、スタッフの感極まるようなエンディングが。マイナーとはいえレースなんだから。
最後になりましたが、マンガが本屋に届くたびに電話を下さった店員さんにお礼を申し上げます。そして長い間「頭文字D」を楽しませて下さったしげの秀一先生に、感謝いたします。ありがとうございました。