ここ数日、山が色づいてきた。
10年前の9月、この景色に魅せられて今の家に住むようになった。
この時期は天候が不順で、雲が現れたり消えたりしながら流れてゆく。それが山肌にタッチをつけて独特の景色をうみ出す。
実は、この写真のフレームの右外側には電柱がある。忘れもしない。窓の正面に電柱があるのに、山ばかり見ていて目の前の電柱は目にはいらなかったのだ。写真の電線はもちろん見えていなかった。
写真、右側の2階屋は平屋だった。おかげで山の麓、豊平川の土手まで紅葉に染まるのがみえた。
ある時、この家で工事が始まり2階が増築された。おかげで山の下半分が見えなくなってしまった。そして、この家の奥さんが現れた。キノコの入った袋を持って。
「どうもすみません~、景色が悪くなってしまって」と、言われてしまった。
景色はキノコと交換されたのだった。