■札幌芸術の森美術館の「スター・ウォーズ」展。終了間近になって見に行く。
しかし何年か前、北海道近代美術館で開かれた「スター・ウォーズ」展(内容は今回とほぼ同じ)の時ほど気合が入らい。いくら好きでも、似たような展覧会が何度も開かれるとゴッホ展がやってきたような気分になってしまう。
もう一つ、この映画内容を展示するには札幌芸術の森美術館は狭すぎる。少なくても5倍の広さがほしい。NYの「ナチュラルヒストリー・ミュージアム」ぐらいあっても良い。
■1977年に公開された映画「スター・ウォーズ」。映画界はアメリカン・ニューシネマとヨーロッパ映画の時代でハリウッドは低迷期。SF映画というので「2001年宇宙の旅」の仲間かと期待して銀座まで出かけたが、宇宙船の中をドタドタ走り回る映画だったのにがっかりした。
ただし冒頭の巨大宇宙戦艦スター・デストロイヤーと、デス・スターの溝に入り込む戦闘機をシュノーケルカメラで追いかけた特撮映像には度肝を抜かれた。
■「スター・ウォーズ」は、衣装や背景など、細部にこだわった優れたデザインをもち、宇宙船や武器には未来的であっても古さを残して観客の郷愁をさそうというアートディレクションがなされている。
しかもシリーズを通じて異種族の共存という素晴しい世界観がある。大学でも毎年講義してきた。
ヒーロー物なので、たしかに子供っぽいところもある。しかし親子の年代記になっている点、異種族共存がベースになっている点などは、「スター・ウォーズ」の出発点でもある。ディズニー映画になっても変わらないで欲しい。
■今回の収穫は、会場で流れていたジョン・ウイリアムスの曲。
「スター・ウォーズⅣ」で、ルークが月を見ながら自分の運命をみつめるシーンでかかる曲。
一番好きな曲だが、このところTVの音でしか聞いていなかったせいか、音響の差は歴然。涙をこらえるのがやっとなくらい感動した。