B-STYLE

[身近なモノの取合せで暮らしを満喫する]  [時の経つのを楽しむ] [偶然を味方にする] それらをBスタイルと呼ぶことにしました。

2012/07/30

鑑賞者との接点


ある表現を第三者に伝えようとした時、非常に難しい事がありました。それは暗黒舞踏です。美術や音楽や舞踏のような表現は記述出来るものではない事は分かっています。しかし鑑賞者が第三者に内容を伝えられないというのはもどかしい事です。そこで私の人形劇(子供向きではない)では、鑑賞者との接点を用意する事にしました。パンフレットを作り言葉や画像を載せたのです。

パンフレットは鑑賞者の悩みを少し解決できたと思います。しかし言葉は作品の一面しか語れない為、言葉が作品を呪縛してしまう事も感じました。しかも言葉は思ったより強く、継続的な力を持っています。作品が目の前から消えても言葉は残り、新しい制作活動はこの言葉に呪縛されるという現象が起こりました。まさに言霊です。

次に考えたのは、パンフレットは他人に書いてもらうという方法でした。しかも複数の筆者により違う角度から、あるいは関連した詩などを掲載してもらったのです。こうすると自分の言葉に呪縛されなくなります。

作品が多面的に語られると鑑賞者は自然とそれを関連付けようとします。関連付けは自ら行った結果なので鑑賞者はより作品を納得し、しかも語る言葉を得る事になります。ただこの場合、鑑賞者は作品のまわりをぐるぐる回っている様にも見えます。そんな風に鑑賞結果を鑑賞者から第三者に伝えてもらうのは難しいものです。「感動した!」で良いといえばそれまでですが・・。
(望月澄人作品展 小春堂 「作品とエピソード」より)

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