私がこれまで作った作品は、美術館や展覧会場のような一時的な非生活空間で展示してきたものや絵本であり、特にどこかに長い間飾るために制作したものではありませんでした。また私は、ずっとCG作品を制作、発表しながらどこかで作品の着地点を求めていたような気がします。少なくともそれは一時的な展覧会場ではなかった様に思います。
小春堂での作品展を「生活空間におけるCG作品展示」とし、12月～４月までの長い間展示し続けるという理由は、それを探る実験でもあります。ですから展示方法も、最初はすべてバラバラに展示しようと思いましたが、それに近い展示は道路側の部屋だけになり、あとはシリーズごとにまとめるなど、異なった展示方法をとっています。展覧会なのか、空間の装飾なのかという事も考えた結果です。
小春堂は厳密には生活空間ではないかもしれません。生活の最小単位は家や部屋だともいえます。でもここは作品を見る為だけの展覧会場で無い事は確かです。
（望月澄人作品展 小春堂 「作品とエピソード」より）
望月澄人作品展 ー小さな額縁の中の大きな世界ー
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