誰でも、名前は知っていても見たことのない花があるはず。だから毎年見ているこの黄色い花が福寿草だとは思っても見なかった。花の名前は犬友のおばさんから教えてもらった。
春になると近所にこの黄色い花が咲く家がある。
建物はすべてツタに覆われ、さらにそれを覆い隠すように木々が茂っている。花もちらほらと見えるが、花屋から買ってきたような花は見かけない。いつか家族に私の理想の家だといったら、気味が悪いといわれてしまった。
聞いた話では、この家は、もと北大の植物園の園長をしていた方が暮らしていた家だという。今はおばあさんの一人暮らし。高齢だがお元気そう。また別の犬友からは、この家のご主人を中心に近所には植樹ブームがあったと聞いた。この犬友のおばあさんも1人暮らし。90才ぐらいか。小さな池のあるステキな庭を持っている。
みんな名前は知らない。この世代、いま町内ではわずかだ。