湧き水の小川とミクロコスモス

川は雪解け水で濁流だというのにここの水は透明。雪の下で冬を越したコケが姿をあらわす。水が近くにあるととコケは元気だ。

京都に行くとコケの生えた寺が多くある。庭は専属の庭師が絶え間なく手入れをしている。楽しみを味わおうとうすれば費用がかかる。だがこの公園は自然まかせだ。だから無料。あと一ヶ月もするとさらに素晴らしい光景を見ることができる。

コケを見ているとそばに近づきたくなる。そこには別世界がある。大きな山があったり、巨木が生えていたり、巨岩が並んでいたりするのだ。コケにはミクロコスモス（小宇宙）を感じさせてくれる力があると思っている。

一度、このミクロコスモスを庭に作ろうとしたことがある。水撒きをするとあっというまに活き活きとした小さな森が出現する。しかし長続きしなかった。きっとそこはコケの好む場所ではなかったのだと思う。