2013年8月16日の北海道新聞に、「目に見えない8月15日」というタイトルの記事があったので紹介しておく。執筆者はノンフィクション作家の保阪正康である。
この中で保阪は「目に見えない8月15日」としていくつかの史実や戦争への視点をあげている。
1.国は、国民の生命と財産を守るのが役目なのに、それを放棄し、すべて提供せよと命じた。
2.戦争は政治の延長であるとはいえ、政治の失敗が戦争に直結した。
3.戦争は非人間的道徳や規範の集積であり、それは平時の道徳とは逆転している。
そしてこれらが戦争体験者の心中や脳裏に刻まれている記憶であり、それを受け継ぐことが次代の者の精神なのだと語る。つまり8月15日には、国民一人一人が国に裏切られたという記憶を確認する日でもある、と言っているのだ。
戦争を未体験の私たちは、このことを忘れないでおこう。