ヴィーニュは、クルマで10分たらず。藤野聖山園の手前にある。
10年以上前はひどかった。建物の外観に魅せられて入ったが、食べたくなるようなものが何ひとつない。しかたがないので山菜そばを注文した記憶がある。
また外観に魅せられたといっても北海道風。札幌時計台のような木造洋館ともいえるスタイルだ。
一方インテリアのほうは欧風雑貨店にあるものを並べたようなカジュアルな雰囲気。アンティークで、ガラクタで、不揃いで・・。そのへんはかわっていない。
そんなつもりで行ってみれば、すごくイイ!
ヴィーニュは人に緊張感をあたえない。ここには独特の安らぎがある。
となりの「藤野ワイナリー」で作られたワインを飲みながら、パスタやピザを食べることができる。山菜そばはなくなって料理はイタリアンのみ。ワインの味は日本風。つまりジューシー。
ヴィーニュの良さは、広い敷地と気負いのないもてなし感にある。
そんなわけで店の周りを歩いてみた。
ここは元々「藤野ワイナリー」、「エルクの森・パークゴルフ場」のレストランとして作られたのだと思う。ゴルフをやらない人は、まわりの小道を散策できるようになっている。道を進むとあちこちに休憩用の古びたベンチや椅子がある。これは私のような年寄りには気のきいたもてなしである。
その景色を眺めるだけでもベンチに腰掛けても構わないが、放棄された所に来てしまったような時間の経過、「わび・さび」を味わうことができる。
しかも、この「わび・さび」は茶室のそれのように、「〇〇道」を押しつけられるようなものではない。自然のなすがままにできた開放的なものだ。
春(5月頃)は花畑も楽しめそうだし、今は萩がきれいだ。
木立や丘陵のおかげで全体を一望できる場所はない。このイギリスの風景庭園のような造園プランには、一見ガラクタを並べたようなレストランとともに、人の緊張を解きほぐし、癒してくれるくふうがされている思っている。
http://www.vm-net.ne.jp/elk/vigne/index.html