B-STYLE

[身近なモノの取合せで暮らしを満喫する]  [時の経つのを楽しむ] [偶然を味方にする] それらをBスタイルと呼ぶことにしました。

2012/07/26

朽ち果てた構造物のある光景シリーズ

最新、最先端と呼ばれる物は力がみなぎっている。そこにあるのは夢や可能性だ。反対に、朽ちた建築(廃墟)や捨てられた自動車(廃棄物)などには、“役割を終え、力の抜けたたたずまい”がある。これらは見る人に安らぎを与える。遺跡が人気のあるのはその為だ。また廃虚を題材とした作品は数多くあるが、私がこの題材を取り上げたのは急成長するアジア社会があるからだ。最新、最先端、革新、発展の先にある安らぎを感じる世界を描いてみる。
CGを試作中に写実的な壊れた橋を景観の中に置いたが、この表現は、見る人に何処どこの何々橋といった事を連想させてしまう事に気づく。人はそれぞれ自分の体験を持っていて、作品に体験を照らし合せてしまうのだ。世界中を旅して遺跡を描く、というのは私の目的ではなかったので、作品では、これら朽ちた物を球、円筒、円環体、六面体といった幾何学的な形状にして表現している。鑑賞者に安らぎだけを与えられたらと考えたのだ。またそれは日本の中世の美学“わび”や“さび”の現代版といえないだろうかとも思ったりする。

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