B-STYLE

[身近なモノの取合せで暮らしを満喫する]  [時の経つのを楽しむ] [偶然を味方にする] それらをBスタイルと呼ぶことにしました。

2012/08/07

映画「メランコリア」


今借りてる映画「メランコリア」はちょっといい。

物語:
惑星メランコリアが接近中の地球。ある田舎の豪邸で主人公の女性は結婚式を挙げる事になっていた。しかし披露宴が進むにつれ次第に本来の性格が浮かび上がりいろんな事が面倒に感じられてゆく。結婚式は台無しになる。この事は主催した姉夫婦にも影響を与える。不安の中、姉、姉の息子、主人公は惑星メランコリアをむかえる。(ただしSFパニック映画ではない。)

ゴージャスというのは私には不釣合いだが、映像のゴージャスは好きだ。この映画には3つのゴージャスがある。
1. 映像美
最初の超スローモーションの映像。
物語を度外視して注視してしまう様な映像。

2. ロケ地となった豪邸
それほど大きな建物とは思えないが、庭が広くゴルフコースまである。
この舞台が映画に重厚さを与えている。

3. 主人公
最初はそれほどでもないが、徐々にその独特な性格が現れる。何ものにもとらわれない資質は憂鬱症でもなんでもないと思うが、監督の経験からか、そんな風に描かれている。その思いの象徴が彗星メランコリアだ。

事象を現実的にストーリー化した作品ではないので、豪邸以外にいる人々が彗星をどんな風に感じているかなどは描かれていない。来なくなった召し使いや姉の旦那がなぜ死んだのかも曖昧だ。子供もいるだけの様にみえるし、主人公の馬に対する感情の変化も必然的にはみえない。

では監督は何をしたかったのか。おそらく登場したすべてのモチーフやエピソードは、監督が"あらゆる事への憂鬱"を描く為にどうしても必要であり、それらを糸を紡ぐように物語のつじつまを合わせるのではなく、一瞬で分かる様に映画というタピストリに織込んだのだ。

この映画は、このところワインを飲みながらハリウッド映画を見る習慣がついてしまった私にはちょっと辛かったが、ヌーベルバーグの時代を思い出させてもらった。何度か見れば、監督のラース・フォン・トリアー節がなじみ、もっと違った見方が出来ると思う。ワーグナーの音楽「トリスタンとイゾルデ」が印象に残った。
★★★★★

http://melancholia.jp/

3 件のコメント:

小林大賀 さんのコメント...

先生、お邪魔しまーす。
無為庵乃書窓さん良いですね。デジデリオという人の画を初めてみましたが、構図など参考になりそう。
スワンベルグの画集、先生が持ってるのを見て以来忘れられなくて、東京で大枚をはたき、買ってしまいましたよ。
最近はストーリーを語る画を作りたいので、マグリットなどを再考しようかな、と思ってます。

Unknown さんのコメント...

モンス・デジデリオは日本で展覧会が開かれた事はないと思います。
FBに投稿してくれている写真、楽しく拝見しています。

Unknown さんのコメント...

マグリットの画集(どれかは忘れてしまいましたが)の後の方に、奥さんの話が載っていて、マグリットと美術館に行ったのだが、すぐに出てきてしまい、それから彼は二度と美術館に行く事はなかった、と書かれていた様に記憶しています。興味深い話です。