本をゴミとして出すことにした。廃品回収の場所。
昨年「ご自由にお持ちください」ということで、ガレージ前に並べていた本(下の写真)。かつてはいろんな知恵を授かった本だが今後開くことはないと判断したものだ。
本を売らずに差し上げるというのは、本が、古本屋に二束三文で買いたたかれて持っていかれるより、別の出会いがあって欲しいという願いと、私も本を持って行かれて”人生という衣を引剥がされて蹴飛ばされたような気分”にならずにすむと思ったからだ。
しかし私はこのところ毎日三途の川の岸辺を散歩して、両岸の景色を見比べるような境地になっていた。
もしこの川の向こう行くのなら、どんな本を持ってゆくのだろう? 一方残された本は、自分がいなくなったら誰が読むのだろうか? などと考えたりするようになってしまっていた。
しかも本を残すためには、新たな本棚を制作する必要がある。誰も読まないかもしれない本のために・・。今の体力ではそれは無理。もっとバッサリと本を整理することにした。
たしかに所持している書物の中には思い出深いものもある。林静一の画集「紅犯花」(折り鶴、サイン入り)は限定1500部だったが、書店には置いてなくて渋谷の出版社を探してを訪ねていった。幻燈社は住宅街のかどにあるタバコ屋のような(というかタバコ屋)小さな店。居たのはお婆さんが1人。驚く。しかしこんな本の価値はあくまで私個人にとってのものだ。
(いい思い出付きの本はとっておくことに)
人が本に価値を感じるのは、強烈に読みたいと感じた時だ。気になった本が出てきたら地の果てまでも探しに行けばいい・・。 。どんな素晴らしいモノも、興味がなければ無価値だ。それが自然だと思えるようになってきた。
そんなわけで今ある本棚に収まらない本は処分することにした。
追記:
その後マンガなら少しはニーズがあるだろうと30冊を「ブックオフ」に持ってゆく。¥130だった。私の決意は決定的となった。
*昨年8月のガレージセール。始めたころの思いを記述している。
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